街や高速道路でよく植えられている濃いピンクの花と深緑の葉の花木。
そんなキョウチクトウ(夾竹桃)について調べてみると中々強烈な植物であるとわかりました。
読書でたまたま見たヒンドゥー教の神々との関わりも紹介します。
1.恐れられるキョウチクトウ
キョウチクトウ(夾竹桃)(Nerium oleander var. indicum)はインド原産の常緑低木または小高木です。
大気汚染や乾燥などの悪環境に強いことから広く植えられています。
高速道路では悪環境への強さが特に重宝されてよく植えられているようです。
街路樹に学校の校庭、公園などと人が多く住む場所で老若男女が行き交う場所に広く存在します。
しかしながら全身に強い毒性があり、素手で触るのはやめた方が良いようです。
伐採・廃材処理は専門業者に依頼すべきともあります。
神津内科クリニック・神津仁院長のコラムではキョウチクトウの毒性についてさらに多くの事例を紹介しています。
・アレキサンダー大王の軍隊が枝をバーベキューの串にして死亡者発生
・1980年千葉県で乳牛20頭中毒、うち9頭死亡(一頭あたり0.5gの葉を食べた計算らしい)
・匂いや焼いた煙で中毒症状が起きる
・インド・スリランカではセイヨウキョウチクトウの実が貧困層の自殺に用いられる
……ヒュッ。
これだけの危険性があるにもかかわらず、なぜキョウチクトウはあちこちに植えられているのでしょうか?
2.愛されるキョウチクトウ
一つは劣悪な環境でも花を咲かせる逞しさで人々を勇気づけるが故と思われます。
広島市では原爆被曝後の焦土でいち早く咲いた花であり、
8月6日ごろに満開を迎えることもあってか「市の花」として愛され続けています。
他には毒が虫や小動物の害を防ぐとも、魔除けや穢れを祓うとも見做されているようです。
仏典では歌羅毘羅樹(カラビラジュ)と呼ばれ、罪人にその花輪をかける話があるらしいです。
3.「ネパール・インドの聖なる植物事典」ヒンドゥー教の神々とキョウチクトウ
「ネパール・インドの聖なる植物事典」では、ヒンドゥー教におけるキョウチクトウの宗教的意義がありました。
・葉は太陽神スーリヤの供犠・祭礼に使われ、ガネーシャ神の祭礼にも用いられる
・赤い花はカーリー女神とシヴァ神が好む
・キョウチクトウの花のシヴァ・リンガが作られることもある
根と葉の薬効についての記述はあるものの、なぜ祭礼などに使われているかまでは本の記述ではわかりませんでした。
恐ろしさと力強さと有益さが共存しているところが神の偉大さに通ずるのでしょうか?
仏典の歌羅毘羅樹(カラビラジュ)はこのあたりの本に載っているだろうか?
まとめ
なんとなく調べたらあっちこっちに寄り道したが、色々面白いことはたくさんあるなあと思いました。
最後に見つけたキョウチクトウについてのゆっくり系チャンネルを紹介します。
原爆投下後数日で新芽が生えてきたって本当に強いな。
アレキサンダー大王だけでなくナポレオンや西郷隆盛の軍勢も不用意にその辺の枝でバーベキューするから……
経済成長期に大気汚染に強いからと植えまくっといて、毒性が取り沙汰され伐採されまくったとも。
ううん。
コメント